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 医院情報

飯田橋駅東口より徒歩0分
内科・心療内科

医院名
飯田橋東口内科心療内科診療所
飯田橋東口診療所(略称)
院長
下平 智史
住所
〒102-0072
東京都千代田区飯田橋4-9-9
第七田中ビル8階
診療科目
内科・心療内科・精神科
小学生以上を対象にしています。
自立支援使用可能
障害者手帳・年金記載可能
生活保護対応
電話番号
0362609863
当日予約が可能です.

業者用連絡先:1@iidabashi-shinryounaika.jp
補足
千代田区医師会員
東京大学心療内科医局員

摂食障害のページ(土曜日午後は摂食障害専門外来あり)

摂食障害が疑われる所見

基本的は症状は、低体重、ボディーイメージの障害、やせ願望、無月経などです。

今までの趣味や楽しみの内容から、食事のカロリーやダイエットの話が多くなります。食べているものが今までと変化し野菜などがおおくなります。過食のある人は食べ物のごみやお金の消費など多くなります。話と好みの変化だけで親としては気づいてほしいです。料理などにも口出すことが多くなり気が付く人もいます。

今までしてなかったにもかかわらず、体重計で毎日測定し始めます。体重計を一日で何回も使用する人もいます。持病がないのに体重計に毎日乗る人は病気の可能性がたかいです。

体重が減少します。成長期に体重が減少に転じたときは注意しましょう。学校の先生も教えてほしいものですね。

見た目も大事です。一緒にお風呂に入ったりプールに行ったりできるといいです。また、同年代などの友達と比べてみるといいでしょう。

気づいたときに早めに連れてきてください。

摂食障害が治療できる施設とその体制

基本的には、入院が必要な人は病院に、不要な人は診療所にといった体制になっています。当院では東京大学心療内科、長谷川病院、国府台病院、くじらホスピタルに入院をお願いしております。摂食障害は一回の診察に非常に治療に時間がかかるのでなかなか受け入れてくれる病院が少なく各病院の特徴を考え病状に応じて紹介しております。小児つまり中学生までの受け入れ入院病院はさらに少なく、中学生なら成人を見ている病院にお願いしたり、都立小児医療センター等にお願いしている次第です。入院になるレベルの前に相談し、外来で治療しましょう。

当院の特徴として、夜間診療や土曜日診療をしておりますので、仕事や学校に行けている人でなかなか大病院の摂食障害専門外来を受診できない患者さんや仕事や学校に行けるようになったが、大病院では休んで通院しなくてはいけない患者さんに適していると思います。

私は東京大学医学部付属病院心療内科にて摂食障害の専門外来もしておりましたので、飯田橋東口診療所に来ていただければ東京大学医学部付属病院心療内科の外来のレベルは担保いたします。

当院への受信

可能であれば、時間をかけて対応したいので初診はご家族と土曜日に午後に受診してください。

再診は他の時間でも可能です。

母親や家族に望むこと

低体重で入院が必要になってから受診される方が多くいて非常に残念に思います。自分の子の体調にしっかり気づけるようになってください。特に子供が中学や高校に入って働き始めた方などに多く見られます。

最低限4つのことをお願いしています。

1、受診を確認すること、ときには連れて行ったりして定期的な受診を促してください。(中には受診しているといって受診していない子もいます。領収書などで確認ください)

2、体重をはかること。診察時では薄着ではかることが難しいこともあり、服を着ていると中に重りを入れたくなります。自宅で母親とともにパンツだけで決められた曜日の決められた時間に測定してください。

3、家族(多くは母親)が食事の用意をすること、必ず決められた時間の範囲に食事がとれるよう準備してください。主食をしっかりとるのが大事です。ご飯の量を測定し、200gなど決めた量をだしてください。測定したご飯を冷凍しておくのが便利です。何を言われても必ず一定の量をだしてください。(子供が食事をとっていないので、私が確認すると親が食べなからといって食事を用意していない人がおりびっくりします。しっかり用意して食べない分は子供に捨てさせてください。親が食べないように。)

4、子供と楽しい時間を過ごしてください。重症化してくると他の子供と遊べないので、親子で遊びましょう。親も楽しく子も楽しく、ゆっくり落ち着いた時間を、特に土日に多くとりましょう。この当たり前のことができないときはなぜできないのか考えてみましょう。

補足:場合により学校などに体育の過ごし方、留年しなくてすむ入院期間を相談するなども行う必要が発生します。

摂食障害の診断基準(DSM-5)

神経性やせ症/神経性無食欲症(Anorexia Nervosa)の診断基準(DSM-5)

診断基準
A. 必要量と比べてカロリー摂取を制限し、年齢、性別、成長曲線、身体的健康状態に対する有意に低い体重に至る。有意に低い体重とは、正常の加減を下回る体重で、子どもまたは青年の場合は、期待される最低体重を下回ると定義される。


B. 有意に低い体重であるにもかかわらず、体重増加または肥満になることに対する強い恐怖、または体重増加を妨げる持続した行動がある。


C. 自分の体重または体型の体験の仕方における障害、自己評価に対する大樹夕や体型の不相応な影響、または現在の低体重の深刻さに対する認識の持続的欠如

コードするときの注:神経性やせ症はICD-9-CMでは病型にかかわらず307.1にコードされる。ICD-10-CMコードは買い分類(下記参照)による。


いずれかを特定せよ
(F50.01)摂食制限型:過去3カ月間、過食または排出行動(つまり、自己誘発性嘔吐、または緩下剤・利尿薬、または浣腸の乱用)の反復的なエピソードがあにこと、この下位分類では、主にダイエット、断食、および/または過剰な運動によってもたらされる体重減少についての病態を記載している。
(50.02)過食・排出型:過去3カ月間、過食または排出行動(つまり、自己誘発性嘔吐、または緩下剤、利尿薬、または浣腸の乱用)反復的エピソードがあること

該当すれば特定せよ
部分寛解:かつて神経症やせ症の診断基準をすべて満たしたことがあり、現在は、基準A(低体重)については一定期間満たしてないが、基準B(体重増加または肥満になること  
への強い恐怖、または体重増加を回避する行動)と基準C(体重および体型に関する自己認識の障害)のいずれかは満たしている。
完全寛解:かつて神経性やせ症の診断基準をすべて満たしていたが、現在は一定期間診断基準を満たしていない。


現在の重症度を特定せよ
重症度の最低限の値は、成人の場合、現在の体格指数(BMI:Body Mass Index)(下記参照)に、子どもおよび青年の場合、BMIパーセント値に基づいている。下に示した各範囲は、世界保健機関の成人のやせの分類による。子どもと青年については、それぞれに対応したBMIパーセント値を使用するべきである。重症度は、臨床症状、能力低下の程度、および管理の必要性によって上がることもある。
軽度:BMI≧17kg/㎡
中等度:BMI16~16.99kg/㎡
重度:BMI15~15.99kg/㎡
最重度:BMI<15kg/㎡

精神疾患の診断・統計のマニュアル アメリカ精神医学会 Washington,D. C.,2013(訳:日本精神神経学会)

神経性過食症・神経性大食症(Bulimia Nervosa)の診断基準(DSM-5)

 診断基準
A. 反復する過食エピソード、過食エピソードは以下の両方によって特徴づけられる。
(1) 他とはっきり区別される時間帯に(例:任意の2時間の間の中で)、ほとんどの人が同様の状況で同様の時間内に食べる量よりも明らかに多い食物を食べる。
(2) そのエピソードの間は、食べることを抑制できないという感覚(例:だべるのをやめることができない。または、食べるものの種類や量を抑制できないという感)。


B. 体重の増加を防ぐための反復する不適切な代償行動。例えば、自己誘発性嘔吐:緩下剤、利尿剤、その他の医薬品の乱用:絶食:過剰な運動など


C. 過食と不適切な代償行動がともに平均して3カ月間にわたって少なくとも週1回は起こっている。


D. 自己評価が体型および体重の影響を過度に受けている。


E. その障害は、神経性やせ症のエピソードの機関にのみ起こるものではない。

該当すれば特性せよ
部分寛解:かつて神経性過食症の診断基準をすべて満たしていたが、現在は一定期間、診断基準のすべてではなく一部を満たしている。
完全寛解:かつて神経性過食症の診断基準をすべて満たしていたが、現在は一定期間、診断基準のいずれも満たしていない。

現在の重症度を特定せよ
 重症度の最も低いものは、不適切な代償行動の頻度に基づいている(以下を参照)。そのうえで、他の症状および機能の能力低下の過程を反映して、重症度が上がることがある。
 軽度:不適切な代償行動のエピソードが週に平均して1~3回
 中等度:不適切な代償行動のエピソードが週に平均して4~7回
 重度:不適切な代償行動のエピソードが週に平均して8~13回
最重度:不適切な代償行動のエピソードが週に平均して14回以上


精神疾患の診断・統計のマニュアル アメリカ精神医学会 Washington,D. C.,2013(訳:日本精神神経学会)

過食性障害(Binge-Eating Disorder)の診断基準(DSM-5)

診断基準

A. 反復する過食エピソード、過食エピソードは以下の両方によって特徴づけられる。
(1)他とはっきり区別される時間帯に(例:任意の2時間の間の中で)、ほとんどの人が
同様の状況で同様の時間内に食べる量よりも明らかに多い食物を食べる。
   (2)そのエピソードの間は、食べることを抑制できないという感覚(例:食べるのをやめることができない、または、食べる物の種類や量を抑制できないという感覚)


B. 過食エピソードは、以下のうち3つ(またはそれ以上)のことと関連している。
(1) 通常よりずっと速く食べる。
(2) 苦しいくらい満腹になるまで食べる。
(3) 身体的に空腹を感じていないときに大量の食物を食べる。
(4) 自分がどんなに多く食べているか恥ずかしく感じるため1人で食べる。
(5) 後になって、自己嫌悪、抑うつ気分、または強い罪責感を感じる。


C. 過食に関して明らかな苦痛が存在する。


D. その過食は、平均して3カ月間にわたって少なくとも週1回は生じている。


E. その過食は、神経性過食症の場合のように反復する不適切な代償行動とは関係せず、神経性過食症または神経性やせ症の経過の期間のみに起こるのではない。

該当すれば特定せよ
 部分寛解:かつて過食性障害の診断基準をすべて満たしていたが、現在は一定期間過食エピソードが平均して週1回未満の頻度で生じている。
 完全寛解:かつて過食性障害の診断基準をすべて満たしていたが、現在は一定期間診断基準のいずれも満たしていない。

現在の重症度を特定せよ
 重症度の最も低いものは、過食エピソードの頻度に基づいている(以下を参照)。そのうえで、他の症状や機能の能力低下の程度を反映して、重症度が上がることがある。
軽度:過食エピソードが週に1~3回
中等度:過食エピソードが週に4~7回
重度:過食エピソードが週に8~13回
最重度:過食エピソードが週に14回以上   

精神疾患の診断・統計のマニュアル アメリカ精神医学会 Washington,D. C.,2013(訳:日本精神神経学会)  

摂食障害を含む病気分類 Ⅹ.Feeding and Eating Disorders  食行動障害および摂食障害群

今まで摂食障害は独立した疾患群になっていたが、異食症などと一緒の群になった。また、過食性障害も病名として認められている点が異なっている。(飯田橋東口内科心療内科診療所の考え)

Pica 異食症

Rumination Disorder 反芻症/反芻性障害

Avoidant/Restrictive Food Intake Disorder 回避・制限性食物摂取症/回避・制限性食物摂取障害

Anorexia Nervosa 神経性やせ症/神経性無食欲症   

Specify whether いずれかを特定せよ    

Restricting type 摂食制限型    

Bingeeating/purging type 過食・排出型

Bulimia Nervosa 神経性過食症/神経性大食症

BingeEating Disorder 過食性障害

Other Specified Feeding or Eating Disorder 他の特定される食行動障害または摂食障害   Atypical anorexia nervosa 非定型神経性やせ症    

Bulimia nervosaof low frequency and/or limited duration) (頻度が低い,および/または期間が短い)  神経性過食症   

B ingeeating disorder of low frequency and/or limited duration) (頻度が低い,および/または期間が短い)  過食性障害   

Purging disorder 排出性障害   

Night eating syndrome 夜間食行動異常症候群 Unspecified Feeding or Eating Disorder 特定不能の食行動障害または摂食

DSM‒5病名・用語翻訳ガイドライン(初版)より  日本精神神経学会 精神科病名検討連絡会

以下は私が摂食障害についてコメディカルように記載した物です。

印刷やコピーペーストは許可しておりませんので学会誌を参照くださいますようよろしくお願いします。

1.はじめに

  食行動異常と精神疾患は強い関係があり、食行動異常をきたす精神疾患についての知識は食行動に関わる上で重要なものである。精神疾患の食行動異常としては、食行動そのものの異常と一症状として食行動異常をきたす疾患がある。食行動そのものの異常としては摂食障害を代表的な疾患として米国精神医学会により発表されている診断基準であるDSM-(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, th edition) に、「食行動障害および摂食障害群」として前述のごとく定められている1。症状として食行動の異常をきたす疾患の例としては、うつ病の一群である大うつ病性障害において、「食事療法をしていないのに、優位の体重減少、または体重増加、またはほとんど毎日の食欲の減退または増加」とされており、気分変調症では「食欲減退または増加」とされ、境界性パーソナリティー障害においては自己を傷つける可能性のある衝動性の例として「過食」がDSM-5の診断基準にあげられている1。また診断基準になくても、認知症や統合失調症においては食行動の異常が報告されている2,3。これらのように食行動異常をきたす精神疾患は多岐に渡るが、ここでは日頃の診療の中で対応に苦慮することが多い摂食障害に伴う食行動異常について詳しく述べる。それにより、摂食障害の食行動異常に対して介入や是正の参考になることや、そうでなくても日ごろの診療や栄養指導などの中で摂食障害患者を見つけて適切な医療につなげることができれば幸いである。また、摂食障害患者は食行動や栄養に対して独自の極端で歪んだ認知をもつことや強迫的になることなどから、通常の栄養指導では、納得や是正をすることができずにトラブルになることもあり、それらを防ぐためにも適切な知識を持ち合わせることは有意義であると考える。

2. 摂食障害とは

摂食障害は主として、神経性食欲不振症 anorexia nervosa)と神経性大食症 bulimia nervosa)を主とした疾患であり、DSM-5の診断基準によると表のごとくである1(表2,3)。神経性食欲不振症は①著しい低体重、②肥満恐怖、③ボディーイメージの障害によって、神経性大食症は、①過食、②代償行動、③自己評価に対する体重や体型の過剰な影響によって特徴付けられる。DSM--TRからDSM-5になったことで神経性食欲不振症の診断基準からは無月経が必須の項目から除外されたが特徴的な症状であるのに変わりはない。特筆すべきは食行動の乱れとそれに伴う体重の変化のみではなく、認知の異常を伴うことであり、神経性食欲不振症神経性大食症の行動分析の例は図に示されたとおりである5(図12)。疫学としては、摂食障害は先進国でより多く認められ、近年は増加傾向にある。摂食障害患者の男女比は、11020で、ほとんどが女性患者であり、多くは10代後半~20代前半で発症し、女性の生涯罹患率は神経性食欲不振症0.513.7%神経性大食症 1.1 と言われている。ことから女性にとって決して稀な疾患ではない。例えば、若い女性の1型糖尿病患者における摂食障害の合併率は10%前後とする報告が多く、糖尿病女性においては一般の女性に比べて摂食障害を併発する頻度が高いと考えられ、糖尿病の栄養指導を行っている者は接する機会が多い。また、摂食障害の患者はダイエットやそれに密接に関係する栄養には非常に興味をもつこととから、栄養に関与する職場でも接する頻度がより高くなると思われる。

3. 摂食障害に伴う食行動異常とそれを疑うポイント

 (1)   極端な食事制限

①拒食

 体重減少の原因として内分泌疾患や悪性腫瘍などの内科疾患がないにも関わらず、著しい低体重を認める場合は拒食が疑われ、摂取しているのに痩せていくことはない。低体重の基準は定まっていないがDSM--TR神経性食欲不振症の診断基準では、標準体重の85%以下の体重というのが基準となっていた。とりわけ若い女性で、20kg30kg台の低体重の場合は強く拒食を疑う必要がある。ここ最近は摂食障害患者の高齢化が進んできており、40代から60代の女性であっても、拒食の可能性は否定できない。出産後に摂食障害を発症する患者もいる。高身長の場合も拒食を疑う体重の基準が厳しくなるので注意が必要である。例えば、身長165㎝の場合は、体重45kgでもBMI16.5となり、十分に低体重である。それ以外にも、血液検査上で、低蛋白血症、低アルブミン血症、低血糖がある場合や、徐脈、無月経、骨量減少・骨粗鬆症の合併なども拒食の存在を疑わせる所見である

 ②緑黄色野菜の過剰摂取や海藻類の過剰摂取

摂食障害により食事制限が進むとカロリーが少ない野菜や海藻類を多く摂取する傾向となり、極端な制限を行うものは、炭水化物や脂質はほとんど摂取せずに、野菜や海草類を大量に食べるタイプもいる。緑黄色野菜の摂取量が多くなり、ビタミンA摂取量が過剰になると、カロチン症を来たし手掌や足底が黄染する。黄疸とは異なり眼球結膜は黄染せず、手掌や足底の黄染がある場合は、緑黄色野菜の過剰摂取が疑われる。海藻ばかりを食べヨウ素摂取量が過剰となると甲状腺機能が低下することがある。このヨウ素摂取過剰による甲状腺機能低下のことをWolff-Chaikoff効果という。極端な低体重の若い女性が甲状腺機能低下を来している場合は、Wolff-Chaikoff効果の有無を十分に確認する必要がある。

 2 過食(むちゃ食い)

過食(むちゃ食い)は、DSM--TR神経性大食症の診断基準の中で、(a)他とはっきり区別できる時間帯に、ほとんどの人が同様の状況で同様の時間内に食べる量よりも明らかに多い食物を食べる。(b)そのエピソードの間は、食べることを抑制できないという感覚、と特徴づけられているDSM-ⅣからDSM-5になるにあたって日本語訳において「むちゃ食い」が「過食」に訳が変更されているが、内容に大きな変化はない。神経性食欲不振症における過食も定義づけられていないが神経性大食症の過食に準ずるものと思われる。日常会話の中で使用している「過食」とは意味合いが違うので注意が必要である。例えば、「TVを見ながらだらだら間食をしてしまう」といった場合は、明らかに多い量ではなく少量を少しずつたべ続けており、過食(むちゃ食い)には含まれない。過食(むちゃ食い)は多い量を食べるので頻度が多い時には、代償行動を行っても、体重増加することが多い。また体重が急激に増加する場合は、過食(むちゃ食い)の存在が疑われる。過食(むちゃ食い)の誘因は、拒食で強い空腹感や、人間関係などのストレスなどで不快な感情であることなどが多い。

 (3) 不適切な代償行為

    自己誘発性嘔吐など

 過食(むちゃ食い)がある患者の場合、自己誘発性嘔吐や下剤乱用などの不適切な代償行為を行うことがよくある。自己誘発性嘔吐は、代償行為の中で最も頻度が高い。人差し指や中指、歯ブラシやスプーンの柄、割り箸などを喉の奥に挿入して嘔吐反射を生じさせて嘔吐させる事から開始し、その後は機械的刺激なしに嘔吐する患者も少なくない。長期にわたり人差し指や中指を使って嘔吐をしていると、これらの指のつけ根の背部にいわゆる「吐きダコ」ができる。自己誘発性嘔吐を頻回に繰り返すと、唾液腺の腫脹を来し、両顎の下や両頬が腫脹する。その他にも、多数のう歯、血清アミラーゼ値の上昇(主に唾液腺由来の分画の上昇)、血清カリウム値の低下などが認められる場合は、自己誘発性嘔吐が疑われる。

     チューイング

チューイングとは、食物を口に含むが咀嚼して飲み込まず、ビニール袋等に吐き出すという行為を一定時間にわたって繰り返すことを言う。自己誘発性嘔吐に類似した食行動異常ではあるが嘔吐をする訳ではないので、血清カリウム値の低下が認められることは少ないが、唾液腺の腫脹は自己誘発性嘔吐と同様に出現すると言われている。

     下剤乱用・利尿剤乱用

下剤乱用や利尿剤乱用は、血清カリウム値や血清ナトリウム値の低下のなど電解質異常を引き起こし、大量の下剤や利尿剤を同時に内服した場合は血清カリウム値や血清ナトリウム値が大幅に低下することもある。これは、けいれん発作や致死的不整脈につながる可能性も否定できないため、非常に危険な代償行動である。下剤・利尿剤を乱用している患者が、急性や発熱を併発したときに脱水が増悪して腎前性腎不全を起こすこともあり、血液透析導入例もある。また、常用量以上の下剤を長期間使用することで下痢になり、その後に頑固な便秘を生じ、それを解消するためにさらに下剤量が増加するといった悪循環におちいることがある。最近は通信販売などで安価に手に入るため数百上に及ぶ下剤を服用する患者もいる。さらに常に便意を催すカタル性大腸となり、吸収障害による消化不良をおこし、早朝の吐き気と嘔吐も伴うことなども症状として見られる。

     insulin omission

insulin omissionとは過食や食事の食物の代謝や吸収を少なくするために故意にインスリン注射を省略したり減らしたりする行為である。1型糖尿病の女性の31%にみられるという報告もあり、しばしば体重増加を防ぐために行われる。適切な治療が行われているはずなのに著しい高血糖が続く場合や、糖尿病ケトアシドーシスを繰り返す場合はなどには、insulin omissionが疑われる。
4.摂食障害患者に対する食行動の介入

 (1)専門書 

 摂食障害に対する食行動の介入としては認知行動療法の立場からFairburnらがCognitive 摂食障害の認知行動療法のなかで紹介しており、また専門書としてはHerrinらが Nutrition Counseling in the Treatment of Eating Disordersを出版しており10、その中でくわしく述べている。また総論としては摂食障害ガイドラインが出版されており参考にすることができる11

 (2) 必要エネルギー11(表4)

 基礎代謝の計算方法としては研究では呼気ガス分析などを用いるが、一般的にはHarris-Benedictなどの予測式を用いる。摂食障害の特に神経性食欲不振症の患者においては健常人と比較すると代謝などが大きく変化(通常低下)しているためにそのまま用いても正確性を欠くとされいてる。そのためSchebendachの補正式などを用いるとされている。これらを用いることでより正確な値を出すことはできるが、若年者におていては補正が不正確になる報告もある。体重を増加させるために必要なエネルギーとしては1kg当たり約7000kcalが必要とされ、健常者と比較して多いとされる報告や低いとされる報告がある。私は実臨床においては患者に伝える細かい値の有用性は検討が必要であり、数字がひとり歩きしないように注意が必要だと思っている。

(3)実際のコツ

 摂食障害の治療においては拒食が一番の問題となり、基礎正しく食事摂取することと正常体重になることが最も重要な治療目標となる。実際の治療においては、患者は食事摂取に非常な恐怖を感じることから、安心して食べられるように心理的な治療を行った後に食事を摂取したい旨を訴えることがある。しかしながら低体重では摂食障害に特徴的な感情や思考は悪化しており、食行動に焦点を当てない心理的介入の効果は限定的である。神経性大食症 においても食行動にあまり関与しない心理療法を用いるのは検討が必要である。食事摂取を促す行動的介入により、規則正しい食事摂と正常体重になることを達成した後に精神的な改善をさせる心理的介入の順番にする必要がある。また、摂食障害の患者はカロリーや栄養に強迫的になることや歪んだ認知を持つことがあり、それに巻き込まれて栄養指導を行うと最も重要な治療目標が疎かになる。詳しいカロリー計算ではなく100kcal単位で十分と思われ、むしろ適切な量を3食とも摂取することや、適切な間食を摂取することが栄養指導において重要となるとされている(D)。特に、3食の摂取量に大きな偏りを作ることは最も避けなくてはならない。決して食べられない時に次の食事の機会で補うことや食べ過ぎた時に次の食事を減量させてはならない。栄養素としては体重の改善には炭水化物の摂取が最も重要であると筆者は考えており、経験的に1回摂取量の半分のカロリーを炭水化物で摂取するように指導している。その他の栄養素としては、神経性食欲不振症において骨粗鬆症の合併が多いことからカルシウムやビタミンDなどの栄養不足が無いように指導することは大切であるが、拒食がすすむとすべての栄養素が不足しがちであると考えるため、特定の栄養素よりは多くの栄養素を含むビタミン剤や栄養補助剤を摂取するように進めることは有意義なこともある。一日の総カロリー摂取としては通常は体重を減少させない量の食事摂取から開始し必要があれば増加させるのが一般的である。ほぼ絶食で重度の低栄養状態である超急性期の患者に対しては経管などを用いて特別な栄養を行う必要があるが、専門施設のみに必要な内容になるため本誌では割愛する。

 5. まとめ

本稿では、日頃の診療の中で対応に苦慮することが多い摂食障害に伴う食行動異常について述べた。専門的な知識があれば摂食障害に伴う食行動異常を疑うことは比較的簡単ではあるが、専門医の診療につなげることが困難なケースも少なくない。命の危険が高い時を除けば、患者本人を信頼関係を築き、時には家族などの援助者と協力して専門医への受診を希望するように粘り強く説明をし続けていく必要がある。

 文献

1  米国精神医学会:DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院, 2014

2   池田 学:認知症.高次脳機能研究 29:222-228, 2009

3  齋藤慎之介,他:統合失調症に特異的な食行動異常.精神科治療学 27:1569-1575, 2012

4  米国精神医学会:DSM--TR精神疾患の診断・統計マニュアル.新訂版.医学書院, 2000

5  Christopher G. Fairburn:摂食障害の認知行動療法,医学書院, 2010

6 Kaplan & Sadock's Comprehensive textbook of psychiatry, 7th ed. Lippincott Williams & Wilkins, 1663-76, 2000

7 雨宮直子,他:糖尿病と摂食障害.精神科治療学 27:1339-1343, 2012

8 堀田眞理:摂食障害の身体合併症とその治療.精神科治療学 20:711-717, 2005

9 切池信夫:摂食障害 食べない、食べられない、食べたらとまらない 第2版.医学書院, 66-67, 2009

10 Marcia HerrinNutrition Counseling in the Treatment of Eating Disorders, Psychology Press, 2003

11 日本摂食障害学会:摂食障害治療ガイドライン. 医学書院, 2012