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 医院情報

飯田橋駅東口より徒歩0分
内科・心療内科

医院名
飯田橋東口内科心療内科診療所
飯田橋東口診療所(略称)
院長
下平 智史
住所
〒102-0072
東京都千代田区飯田橋4-9-9
第七田中ビル8階
診療科目
内科・心療内科・精神科
小学生以上を対象にしています。
自立支援使用可能
障害者手帳・年金記載可能
生活保護対応
電話番号
0362609863
当日予約が可能です.

業者用連絡先:1@iidabashi-shinryounaika.jp
補足
千代田区医師会員
東京大学心療内科医局員

漢方薬のページ

漢方は中国の医療と思われている方が多いかもしませんが、実は日本で長く使われていた医療であり、西洋薬が入ってくるずっと前から使用されています。日本に中国から医学が伝わったのは5~6世紀以降であり多くの漢方処方薬や生薬、医学の本が持ち込まれました。

その後、室町時代より後は日本で独自に発展していきました。 現在の医療で試用されている漢方薬は、日本の伝統医学として発展して守られてきた日本の医学と言えるでしょう。内科、精神科、外科と様々な科で使われています。

漢方薬は、それぞれの体質や症状に合ったものを使用することで初めて効果を十分に発揮することができます。その体質を見極めるためには漢方に詳しい医師はの診察が不可欠でその時々の症状に合わせて服用する必要があり、薬局で買えばいいというものではありません。自分に合った漢方薬を選らぶ事が重要です。漢方の世界では、独自の理論より体質を診察するオリジナルの“ものさし”があります。それが「証(しょう)」と「気・血・水(き・けつ・すい)」です。漢方薬はその時々の病態だけでなく、その人なりの体質を重んじて処方がなされるのです。


ちなみにですが、漢方薬で今の季節使われているのが

清暑益気湯(せいしょえっきとう)

「清暑益気湯」の“清暑”とは暑さの原因を涼しくする、“益気”とは「気」※を増やすといった意味があります。暑さで弱った胃腸を元気にし、低下した体力を回復させるのがこの薬で、いわゆる夏バテ、暑気あたりに用いられる代表的な漢方薬です。

【効能・効果】

体力虚弱で、疲れやすく、食欲不振、ときに口渇などがあるものの次の諸症:暑気あたり、暑さによる食欲不振・下痢、夏痩せ、全身倦怠、慢性疾患による

体力低下・食欲不振

となっており、虚証の方の夏バテには適した薬となっております。

成分は蒼朮(ソウジュツ)人参(ニンジン)、 麦門冬(バクモンドウ)、 黄耆(オウギ)、陳皮(チンピ)、当帰(トウキ)、 黄柏(オウバク)、甘草(カンゾウ)、 五味子(ゴミシ)が用いられています。

私が今まで最もよく飲んでいた漢方薬は

清上防風湯です。

成分は黄芩(オウゴン)、 桔梗(キキョウ)、 山梔子(サンシシ)、 川芎(センキュウ)、 浜防風(ハマボウフウ)、 白芷(ビャクシ)、 連翹(レンギョウ)、 黄連(オウレン)、 甘草(カンゾウ)、 枳実(キジツ)、 荊芥(ケイガイ)、 薄荷(ハッカ)が用いられています。

若いころにニキビに悩まされていて、清上防風湯に加えて悪化した時は抗菌薬を使用し、時々ピーリングをしていました。現在は処方して家庭で使えるピーリングの軟膏(ディフェリンゲル)や新しいニキビ治療薬で殺菌効果が優れたベピオゲルなどのいい塗り薬が出ており、ニキビは病院に来ればだいぶ治療ができるようになりました。軟膏、抗菌薬、漢方薬でほぼコントロールが可能かと思われます。


漢方治療のよい適応は,虚弱体質に代表される機能性疾患や,いわゆる未病疾患群である(今日の治療指針).とされており、私も特に消化器症状や呼吸器症状の機能性疾患に漢方薬を長年処方してきた。心療内科は機能性疾患を見る機会が他の診療科よりも多く、心理療法と併用して用いることが多々ある。外科の先生方は手術後の患者さんのイレウス予防として比較的には大建中湯などを用いるが、我々心療内科医は小建中湯や六君子湯などを使用する機会がおおい。心療内科の一分野として漢方治療が認められており多くの患者さんが漢方を使用しているため、そのノウハウは心療内科医に受け継がれている。

呼吸器疾患においてはかぜ症候群,インフルエンザ 漢方が最も得意とするところは初期である.漢方薬を服用すると往々にして発熱反応は高まり,その後,解熱する(今日の治療指針).とされている。つまりは身体に備わった免疫を活用して治療が行われているのである。西洋薬では解熱剤などを用いて発熱反応を抑制することを目的とするが、これは体がウイルスに抵抗するのを抑制する可能性があり、症状を遷延化させる恐れが指摘されている。特に小児においては、解熱剤を多く用いて平熱にすることを目標にする人もいるがそれは間違っており、元気さを見て必要最低限の解熱剤にしていくのが良いと私は思っている。成人では仕事や学校などがあるために、症状を抑えて対応しなくてはいけない状況ではある。ここで重要なのは一言で風邪症状といっても、ウイルス感染なのか、細菌感染なのかということである。細菌感染である場合においては抗菌薬をしっかり用いなくては、悪化して肺炎や髄膜炎になる可能性があり、漢方薬などで自己免疫を活性化して治療するなどと言ってられないと思われる。つまり、高熱があるなどの細菌感染が疑われるときはしっかり採血などで炎症反応を確認する必要があり、抗菌薬の適応をしっかり見ていかなくてはならない。ウイルス疾患でもインフルエンザなどの特効薬がある疾患においては、しっかり高感度検査を行い特効薬を用いるのが良いと思われる。なんにでも適応というものがあり、漢方薬も適応をしっかり見極めれば重要な薬となるが、どんな疾患でも漢方薬で治療をしようとするとうまくはいかないことを理解していかなくてはならない。かぜ症状はおさまってきたが,微熱,寝汗,食欲不振,全身倦怠などが続く場合は,漢方治療のよい対象である.


補足:インフルエンザに関してはタミフルなどの薬が良いと思われるが、麻黄湯などの漢方薬もある程度の効果を示すとされている。タミフルやリレンザだけではいまひとつという人は麻黄湯の併用を試してみてはいかがでしょうか。


漢方薬の基礎の話1(虚実と陰陽)

他の薬と異なり、病名を判断して、その薬をだす。といったものだけではなく、体の状態を判断して人それぞれに合った薬を出していくということをしている。その一つが証でありこれは虚実で表す。「証」をわかりやすく説明すると、「その人の状態(体質・体力・抵抗力・症状の現れ方などの個人差)を示すもの」です。訴える症状や、体格や話し方行動などの要素から判断します。そして漢方の政界ではその「証」に合った漢方薬が処方されるのです。

同じ症状が出ている人でも、証が違えば、当然、処方される薬が異なってきます。自分の漢方薬を同じ症状の他の人が飲んでもしっかりと証があっていないと効果が期待できないのはこのような理由があるのです。しっかりと診察を受けてまずは、虚実を確認することが大事です。


実証とは、病気に対する生体反応としては強く、ときには過剰なぐらいである。あまり、症状を訴えず、元気やスタミナがあるようにみられる。高脂血症や糖尿病や高血圧といった生活習慣病などになりやすいとされている。実証の方は普段は訴えが少ないが、そういった人が訴えるときには重篤な時も多く、慎重に診療に当たらなくてはならない。

虚証とは、病気に対する生体反応が弱く、疲労感を中心に多主訴であり、全体的には無力を感じさせる病態を示す。低血圧や胃腸が弱いからで、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群などになりやすく、慢性炎症性疾患などの方も虚証の方に起こりやすい。

中庸とは、虚実の中間であり体の機能のバランスがよく、安定している状態である。


陰陽という概念もあり、病気の急性期の初期の状態を陽とし、陰は急性期の中でも長引いてきた状態を表す。慢性期では虚実に注目して治療をおこない病名にはあまり注目しない、急性期では虚実とともに陰陽の状態を確認する必要があり治療がすこし難しくなる。


漢方薬の基礎の話2(病理)

漢方の病理観に「気・血・水」がある.「気・血・水」は西洋医学の神経・免疫・内分泌の相関に対応する概念といえる.気・血・水は神経系,内分泌系,免疫系と同じく互いに協調して生体のホメオスターシスを維持している.外からの感染,内部の乱れ,発癌などに対して恒常性を保ち治癒に向かわせるシステムとして機能する.実際の疾病では気・血・水の三者が相互に関連し合っているものと考えられる(本日の治療指針より)。言い換えれば「気・血・水」は不調の原因を探すものなのです。

漢方の世界では、人の体は「気・血・水」の3つの要素がうまく体内を循環することにより、健康になるとされ、これらが不足したり、滞ったり、偏ったりしたときに、心身の不調や障害が起きてくると考えられています。気の病態には気虚,気滞,気逆などがあるとされています。

気虚は脳の活動性,生命エネルギーである気の働きが鈍っている状態である.無気力や疲労感・だるさ・食欲不振など元気がない状態で、つまり夏バテや抑うつ状態の患者さんがこの状態であることが多い。気がめいっているなどの表現が使われる状態もある。代表的な処方としては補中益気湯や清暑益気湯を用いることが多い。

気滞は気の循環活動に停滞をきたした病態である.頭重・のどが詰まった感じがする・息苦しい・おなかが張るなどの状態を示す人が多く抑うつ,咽喉・食道のつかえ感がその症状であり、ヒステリーや身体表現障害などの病気の方もこの状態を占める人が多い。代表的な薬として半夏厚朴湯などを用いることが多い。

気逆はのぼせや動悸・発汗・不安感などの状態を示す人が多い。奔豚気病(ほんとんきびょう)という漢方独特の病名があり、不安が強く、人前で緊張してドキドキしたり、ストレスでイライラしやすい神経質な方の精神不安、動悸を伴った状態をしめします。心療内科・精神科でいうパニック障害や不安障害に当たるかもしれません、昔でいう心臓神経症などといったものもこれに当たるかと思われます。柴胡加竜骨牡蛎湯や苓桂甘棗湯等を用います。

瘀血(おけつ)は、月経異常、便秘、おなかの圧痛(押すと痛む)、色素沈着など

血虚貧血は、皮膚の乾燥、脱毛、血行不良など

水の障害としては、水毒・水滞むくみ、めまい、頭痛、下痢、排尿異常など


漢方では、おもにこの「証」と「気・血・水」の2つのものさしを診て、処方を決めていきます。その人にもっとも合った漢方薬を導きだすために行われるのが、「四診(ししん)」という独自の診断です。


望診(ぼうしん):顔色や表情、態度、姿勢、体型などを診ます。舌を診る「舌診(ぜっしん)」をすることもあります

聞診(ぶんしん):声の大きさやトーン、話し方、咳の出方、痰のつまり方、体臭や口臭、呼吸音などを聞く診察です。

問診(もんしん):自覚症状や、これまでにかかった病気、食べ物の好み、ライフスタイル、仕事、月経の様子などさまざまなことを聞きます

切診(せっしん):体に触れてその状態を診ます。大きく分けて、脈診と腹診があります


以上のように、漢方に詳しい医師は漢方の世界観の診断により、その人のその時々の状態に合った漢方薬を選びます。患者側の協力があってこそ進む治療です。漢方薬には偽性アルドステロン症などで低Kになる方などもおり、肝臓に影響が無いかを調べるためにも採血なども必要とします。自分に適した漢方薬を見つけるために、医師と患者さんでコミュニケーションをよくとり治療をしていきましょう。